オキナインコと私

オキナインコのあきちゃんと暮らしています。

あきちゃんの店員さん

あきちゃんを、購入しようと思った時

ものすごく迷った。

 

ペットショップの店頭価格としては、

オキナインコのあきちゃんは

どちらかというと

お安い方の価格だったけど

 

それでも、

我が家の

真っ白の羽衣セキセイインコ

黒い瞳のダブルファクターの

やんちゃ娘の

10倍のお値段だった。



 

羽衣ちゃんを買うのにも

躊躇したのに

 

息子にどうしても、とねだられて

えいやっと、思い切って買った

あの、羽衣セキセイインコの10倍の値段の

オキナインコ

 

自分のために買うなんて

あまりにも贅沢の極みではなかろうか・・・

 

でも、そんなお客の

固い財布のひもを

ペットショップの店員さんは

上手に緩めてしまった。

 

ペットショップの店員さん

「触ってもいいですよ~」

から始まって

「ちょっと手にとまらせてみましょうか~」

と、

お財布のひもを緩める方法を熟知している。

 

でも、私が感心したのは

その店員さん、若い女性の態度だった。

 

「いつも、同じところに止まってますね。

 糞が同じところに盛り上がってるし」

と、私が言うと

 

「あそこが好きみたいなんです。

 となりの(カゴの)ウロコインコがにぎやかなのがいやで

 あの位置なんです。

 もう片方のとなりの(カゴの)ヨウム

 やや静かなので、

 ややヨウムよりのあそこなんです」

 

「ちょっと、羽をかじってる?」

と、きくと、

 

「落ちているのは、齧って抜いたっていうより

 抜けかけの羽が気になっていじった

 って感じです。

 以前、となりがコガネメキシコインコだった時

 すごく毛引きしちゃって、

 お店の裏に入れて一人きりにしてやったら

 毛引きが止まって

 それからは、となりの鳥を静か目な子にしています。

 それからは、毛引きはでていません。」

 

「神経質な面があるので、3日に一度カゴの掃除をしているので

 糞が山盛りになっています。

 まあ、ほとんどあそこにとまっているんです。」

 

「ベストポジションってとこかな」と言うと、

 

「そんなとこですねー(笑)」

 

「手には乗る?」と聞くと、

 

「手よりは肩の方が好きです。

 乗らないってわけじゃないんですけど、

 肩に乗りたがります。」

 

「噛む?」

 

「噛むっていうよりは、嫌な時、押しやる感じです。」

 

「静かそうな子よね。よく鳴く?」

これは、もしかしたら一番気になるポイントだった。

オキナインコは、鳴き声が大きいと、

どんな飼育本にも書いてあったから。

 

「静か目です。そんなに鳴きません」

 

「この子は、私の推しなんです。

 すごく控えめな子なんです。

 にぎやかで、遊び好きな子もかわいいんですけど

 控えめなところが私の推しです」

 

「この子は、別の支店にいた子で

 うちに来た時には、挿し餌が終わってきたんです。

 差し餌が終わるころには、

 たくさん遊んでやらなきゃいけないんですけど

 遊べなかったみたいで、

 控えめな感じに育ってしまって。

 こちらで、いろいろ工夫したんですが

 こんな感じで。

 でも、ちょっとずつ心を開いてくれるのが

 うれしいなぁ、って、そういう子なんです。

 そういうところが、私のいち推しなんです。」

 

これが、私の性格を見抜いて、狙ったセールストークなら

ものすごいやり手のセールスウーマンだろうけど

 

真偽のほどは、分からないという事で。

 

ただ、彼女の言っていることは

よくわかった。

気持ちの通じ合う瞬間って、

誤解かもしれなくても

ある種の感動があるもので、

 

あきちゃんとの間で

彼女はその感動を経験し、

私にそれを、正直に話してくれた。

 

あきちゃんの、いい面(がいくつあったか、ちょっと疑問だけど)と

悪い面(と、いうか困難が予測される面)を

正直にすべて話してくれた。

 

毛引きは、ちょっと心配なポイントだった。

 

でも、毛引きしてない

つるんつるんのピッカピカの鳥を買っても

飼い方次第で

抜いちゃうことはよくあることだし

 

性格にしても

にぎやかで遊び好きな鳥が

私にピッタリな鳥というわけでもない。

 

赤ちゃんの時にはいくらでも手に乗って来ても

成長して、その鳥の性格がはっきりしてきたら

手に乗るより

自由に遊びたがる子になることもある。

 

こちらのミスで、噛みつく子にだってなってしまう。

 

あきちゃんは大人になっているし

プロの店員さんに育てられているので

適切に対処してもらって

大人になっているので

話してもらったそのままの鳥だと信じていいと思った。

 

なんといっても、

手乗りの鳥を購入しようとする客に

手より肩に乗る方が好きです

とはっきり話してくれる店員さんの

言っていることに

嘘偽りがあろうか。

 

毛引きしていました、とまで話してくれた

彼女の言葉を

信じられないなんて、事はない。

 

彼女が話してくれた通りの鳥であることは

明白だと、私は思った。

 

目の前のオキナインコの

性格はわかった。

静かな、あまり鳴かないオキナインコだということも

まず間違いなさそうだった。

 

「おしゃべりする?」

 

「しますよ。でも、ひとりっきりのとき

 いっぱいおしゃべりしてます」

 

苦笑いがでたけど、控えめな性格なので

ひとりっきりのときなのだね。

 

結局、あれこれ悩んで

購入に至ったわけだが

 

あきちゃんは、

彼女が話してくれた通りの鳥だった。

 

 

彼女は、誠実な店員さんだった。

 

数日後ペットショップで彼女に会った時

私に気づいて話しかけてきてくれた。

 

彼女が、

 

おきちゃんは、あの人に買われていって

よかった。

あの人には、おきちゃんがぴったり合うと思う

と、みんなで話したんです。

 

と言ってくれた。

 

なんだかよくわからないけど

嬉しかった。

 

「あきちゃん毛引きしてました」

の補足記事のつもりで

書いた。

 

私は、あきちゃんの事が

すごく好き。

 

あきちゃんとの仲は、

今現在も進行中で

今がゴールに到達したという事でもない。

 

確かにあきちゃんは

触られるのが嫌い。

神経質。

 

でも、それは

あきちゃんの生まれ持った性格というか質(たち)のようなもので

 

外交的な人か内向的な人か

 

というようなもので

 

触られたくなくても神経質でも

私を好いてくれているし

私のことをはみはみしてくれるし

 

私と仲良しなことは変わりない。

 

あきちゃんは

ペットショップで適切に世話されて

大人になったであろう鳥で

 

あきちゃんを

そうやって私のもとに売ってくれた

お店の人に対して

ありがたく思っている。