オキナインコと私

オキナインコのあきちゃんと暮らしています。

あきちゃん、毛引きしてました。

あきちゃんは、ペットショップに居た時
羽をかじって抜いていたことがあった。

 

よくもまあ、
羽をかじって抜いていた鳥を
買おうと決めたものだよ。

 

羽齧り、
飼育本などでは「毛引き」と書いているけど

 

習慣になりやすいし
あまりに毛引きがひどいと
地肌がみえてしまって
羽が生えてこなくなったりする。

 

見た目に痛々しいし


さらに
自咬といって、
身体を噛んで流血したりする状態に
発展することもある。

 

人間でいうところの
自傷

 

本によると、
ストレスとか退屈を紛らわせるために
そんなことになるらしいのだけど

 

買う事を決めた時にも
自分で抜いたと思える
羽がカゴの中に
何本か落ちていた。

 

あー、抜いちゃってる

ペットショップ暮らしが長くて
抜いてるんだろうな

 

と、その時思った。

 

あきちゃんが、お店に来た頃
初めてあきちゃんに会った時

 

あきちゃんは、
カゴを覗き込んだ私の方に
出てきて、

 

カゴの網にしがみついて
私の目を覗き込んだ。

 

アイコンタクトを取ってきた。

 

そのときから
落ち着いた感じの鳥だったけど

 

見に行く度に
正面に出てきて
金網に張り付いて

顔を覗き込んでくる鳥だった。

 

それが、いつのころからか
奥の止まり木にとまって
出てこなくなった。

 

カゴの前にやってきて
声をかけて
やがていなくなる

 

通り過ぎるだけの
ヒトに興味を失ったみたいだった。

 

そんなヒトと
コンタクトをとる努力など
しても

良い事なんて何もないことが
分かった感じだった。

 

別のペットショップの鳥の話だけど、


その鳥は
ソロモンオウム

 

なんと、50万円もする高価な鳥で、
海外から日本にやってきた鳥だった。

 

あきちゃんとは違って
ものすごく活発で
ほがらかな感じの鳥で

 

見に行くと
すぐにやってきて
くちばしをカゴの金網越しに差し出して
遊ぼう遊ぼうという感じになり

 

頭を擦り付けてきて
かきかきして、
とねだるような
素敵な鳥だった。

 

この鳥となら
人生のパートナーになれるんだろうなぁ

 

と言う感じの
きれいで、朗らかで、かわいらしい
鳥だった。

 

その鳥が
数か月後には
毛引きで胸のあたりがはげてしまい
グレイの皮膚がむきだしになっていた。

 

カゴの正面には出てこなくなり
無反応な鳥になっていた。

 

そういう鳥の様子を見て
私は悲しかった。

 

飼い鳥っていうのは、
誰かに買われて連れて帰ってもらって
愛されて生きていく生き物なんだ

 

そうされてこその
生き物なんだ

 

と、私はしみじみと理解した。

 

だから、あきちゃんのことも、
あきちゃんの様子を見ていて
痛々しく悲しい気持ちになっていた。

 

昨年、
いろんなことがあって
私の人生がちょっと動いて
我慢することがいっぱいあって


それから逃れるように
あるいは
それを乗り越えた自分をほめてやりたくて


そして
いま、手に入れなければ
鳥を見送ってから自分が彼岸に行けなくなるのでは
という思いがあって

 

迷いに迷った末
ずっとあこがれていた
セキセイインコよりも大きな鳥を
買うことにした。

 

どの鳥にするか
考えた時

 

美しいウロコインコ
これは、お値段がおてごろね、

 

かわいいシロハラインコ
でも、ちょっと私の財力では
お高いな、無理無理

 

ソロモンオウム
飼ってみたいけど
財力不足の上
大型のオウムは、私のスキルでは飼いきれなさそう

 

などなど
色々考えて

 

私が一緒に暮らすのは
利口な中型インコ

 

オキナインコ

 

ヒトの言葉をよく覚え
状況を理解し
ヒトの言葉で
コミニケーションをとろうとする

 

そんなオキナインコ

 

これしかない。
そう、結論が出た。

オキナインコは、お値段もお手頃。
現実的な選択だった。

 

オキナインコを買うのに

雛で挿し餌を与えながら飼うことも

考えた。

 

可愛くなつくかな。

と、思った。

 

でも、

ふと、あきちゃんの姿を思い出した。

 

この日本に

いったい何羽のオキナインコが

出荷されているんだろう。

 

きっと、いっぱい出荷されているはず。

 

小さくて、なつきやすくて

ニギコロ出来て

 

そんな風に育てることの出来る

かわいらしい雛がたくさん出荷されている。

 

もう、私は

そんなすぐに家族が見つかる子は

いいかなぁ。

 

ずっとあそこにいる

あの子を

自分の大事な一羽にしようかな

 

そう思った。

 

そして、あきちゃんを

買った。

 

私は

お迎えした

なんてきれいな言葉は使わない。

購入しました。

 

そして、彼女を

尊重して

 

できうる限り、

尊重して暮らそうと

試行錯誤している。